皆さんは戦争についてどの様な考えを持っていますか?
人それぞれ色々な考えがあると思いますが『戦争』に、良いイメージはないですよね?
僕は、小学校四年生くらい?の時に戦争の歴史を見学するために何処かの博物館みたいな所に行きました。
そこで戦争を体験した一人のお婆さんがゲストで呼ばれ、体験談を聞く事になったんです。
僕は『戦争について理解を深めるチャンスだ!』と思い、お婆さんの話を真剣に聞きました。
話が始まり、お婆さんがゆっくりとした口調で当時の現場の話をしていくんです。
でも、話を聞く相手は小学生です。
直ぐに話に飽きてしまい、隣の子と雑談をしてしまう子が少しずつ多くなってきました。
数分もしないうちにお婆さんの声は、子供達の雑談にかき消されてしまい『お婆さん可哀想だな…』と、当時の僕は思いました。
それでも、微かに聞こえてくるお婆さんの声に耳を傾けて話を聞き
逃げ惑う人々、叫び声や怒鳴り声、空襲の警報、お婆さんの話を元に色々と頭の中で連想させたんです。
全ての話を聞き終え、真剣に聞いたにも関わらず、僕は何処か他人事の様に感じてしまいました。
『戦争っていけない事なんだな~…』とは思いました…でも実感が持てない…。何だか腑に落ちない気持ちで僕は家に帰りました。
そして、時は巡って現在の僕。
本当に最近なんですけど戦争をしている夢をみたんです。戦争の夢は長い人生で初めての経験。
小学生の時に実感出来なかった事が年月を経てようやく、夢で体験することにより理解に至りました。
今日は少しその夢の話を皆さんにしたいと思います。
金髪の少女と黒髪の少女
夢の中の僕はしがない一般兵でした。
場所は戦場の最前線…廃墟にされた街での戦い。
銃弾が自分の横をかすめる度に死を間近に感じ、僕は恐怖の余り崩れた瓦礫の影から動く事が出来ずにガタガタと震えていました。
戦況は劣勢。
何故かと言うと、敵軍にかなりの手練れがいたんです。
戦場には似つかわしくない金髪と黒髪の少女が二人。
漫画やアニメにだったら間違いなく主要人物だったでしょう。
金髪の子はあまり動かずに大量の銃弾で弾幕を張り、こちらの動きを制限する戦闘スタイル。
もう一方の黒髪の子は、素早い動きで身を隠しながらこちらを撹乱し、反撃しようと顔を出す敵を確実に仕留めていく戦闘スタイル。
あまり動かない金髪の子を排除しようと顔を出すと、居場所が判らない黒髪に狙撃される。
二人の息の合ったコンビネーションで、一人…また一人と仲間が撃ち殺されていきました。
時間が経てば経つほど、ジワジワと死が歩み寄ってくるのを感じる…。
僕が恐怖で動けなくなっていると、一人の味方兵が僕の隠れている瓦礫に駆け込んで来たんです。
その男は僕のチームの上官。
上官は息を切らしながらこう言いました。
『このままだと俺もお前も死ぬ!あの二人のせいで逃げる事もできん!俺が囮になって気を引いている間に金髪の女を殺れ!その後はすぐ後退だ!』
そう言うと、僕の返答も聞かぬまま上官は銃を乱射しながら敵の注意を引き付けて走り去ってしまいました。
僕は気持ちの整理がつかないまま瓦礫の後ろで目を見開きながら銃を握りしめ…
『覚悟を決めろ!撃たなければ死ぬのはお前だぞ!』…と、まるで呪文のように何度も繰り返し、自分で自分を言い聞かせました。
極限状態ってのもあったんでしょう。僕の集中力は極限にまで上り詰め…、金髪の少女が人ではなく、ただの人形のように思えるまで…僕は何度も何度も『撃たなければ死ぬ』と呟き続け、銃口をゆっくりと金髪の少女の方へと向けていきました。
そして一時の間だけ、僕の心は『無の境地』に入り込み
恐怖も…焦りも…人間性も、全ての感情が薄れた状態で、僕の人差し指はゆっくりと引き金を引きました。
銃声の音は聞こえませんでした。
ただ、遠くで金髪の少女がスローモーションで倒れていく姿だけが眼球に焼き付きました。
少しずつ…静かに…段々と心臓の音が鳴っているのが聞こえ、それと同時に『人を殺した』という罪悪感が、汗と一緒にジワジワと内から漏れ出してきたんです。
僕が少女の方を見てぼーっと立ち尽くしていると、上官が僕の手取り
『良くやった!撤退するぞ!』
と言って僕の手を引っ張っていきました。
僕が上官に引っ張られフラフラとした足取りで逃げていく途中で、最後に後ろに目を向けると、黒髪の少女が金髪の少女に泣きながら駆け寄るのが見えたんです。
僕は直ぐに前を向き目を背けたのですが、遠くから微かに聞こえる黒髪の少女の鳴き声が、僕の心臓を握りしめ、更なる罪悪感が僕の心を蝕んでいきました。
『終戦』
場面は飛び、撤退を余儀なくしてから数ヶ月後…。
あの戦いが嘘だったかのように、両国のおえらいがたが和平へと歩み寄って戦争は終戦へと向かいました。
僕は軍を辞め、普通の生活に戻ろうとしたのですが…
何をしていても上の空。
時折記憶に甦る自分が殺した金髪の少女と、最後に泣き叫んでいた黒髪の少女を思い浮かべては、何処にぶつける事も出来ない罪悪感と虚無感に襲われていました。
人には絶対に越えてはいけないレッドラインって存在すると思うんです。
どんな状況…どんな理由があろうと僕はこの夢の中で人を殺して、レッドラインを越えてしまったんです。
辛かったです…、罪悪感に押し潰されそうでした。
昼の暖かな日の光…小鳥の鳴く声、蝶々が花壇の花に止まり、駆け足ではしゃぐ子供達と犬、僕の心境とは真逆に街には穏やかな日常が流れている。
何でこんな平和何だろう?
僕は逃げるように人気の無いところにトボトボト歩いていき
もはや何処をどう歩いたのかさえ覚えてはいませんでした。
しばらく歩き続け…ふと気がつくと、人気のない道の角から、スッと一人の少女が姿を現したんです。
身長は160cm前後、歳は18歳くらい、…そして…見覚えのあるロングの黒髪…。
少女は笑顔でこう言いました『やっと見つけた…。』
右手には小型の銃を握りしめて、笑顔で真っ直ぐこちらを見ている。
その瞬間…僕は状況を理解し、悟りました。
『……ああ…この子になら殺されてもしょうがない』
僕は喋りもせず、動揺もせず、ただ全てを受け止めました。
傍から見たら、黒髪の少女は僕を殺しにきた死神に見える事でしょう。
でもその時の僕の目には、苦痛から解放してくれる天使にすら見えたんです。
そして、黒髪の少女が満面の笑みで僕に銃口を僕に向けた所で、…夢から目が覚めました。
『………………あ~……マジか~…こんなメンタルで仕事行かなきゃいけないの?』
寝起きの第一声がその言葉でした。
最後に…
小学生の時に本当の意味で理解にまで至らなかった『戦争』。
何年もの時を経て、やっと夢の中で体験し、本当の意味での理解にまで至りました。
『百聞は一見に如かず』…やはり実際に体験しないと分らない事ってありますよね。
まあ…けっこうハードな体験だったので、チキン野郎の僕には荷が重かったですね(笑)
出来ることならもう二度と見たくないです(笑)
今日はここまで。
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